登場人物
w・・・wolfさん
キャ・・・キャプテンさん
タマ・・・タマさん
F・・・僕
~二ヶ月程前・・・~
w 「富士山上りません?富士山!」
F 「イヤです。」
w 「僕ね、夏位にまとまった休みがあるんです。仕事柄こんなこと滅多に無いんで滅多に出来ない事がしたい!ねぇ~登りましょうよぉ~!!!」
F 「イ・ヤ・で・す」
w 「キャプテンさんも誘いましょう!!あの人は絶対乗るはず!!」
F 「・・・」
w 「日本人なら一度は行っとかないとでしょ♪」
F 「辛いだけだって!止めといたほうが良いって!まぁ・・・景色は流石に!だけど・・・」
w 「遊漁船もなかなか乗れないんでそっちもしたいんだけど どっちかだったら富士山!!」
F 「・・・」
こんな感じでwolfさんの発案で始まった「富士登山」最初は乗り気でなかったんですが・・・
~一ヶ月程前・・・~
w 「タマさん富士山登りません?今度ね兄貴(僕F橋のことね)と富士山登るンすけど!」
タマ 「はぁ~?富士山?行きませんっ!あれは下から見るモンです!!!」
F 「イヤ行きませんって!!」
w 「キャプテンさんも来るはずですから四人で楽しく登りましょうよぉ~」
タマ 「行きませんよっ!!!!」
F 「マジで行くの?俺も?」
w 「あたりまえじゃないですかっ!俺とキャプテンさんふたりじゃあ遭難します(キッパリ)」
F 「んな訳無いじゃんww!・・・でも・・・んじゃぁ・・・行く?行っちゃう??」
タマ 「おっれっは♪行っか無い♪絶対♪」
こんな感じで、まぁ・・・いっか♪と了承してしまった僕(馬鹿)
~一週間程前・・・~
F 「どのルートで登ります?」
w 「どこでも♪」
キャ 「お任せします。つかどんな装備でいきゃ良いンすか?」
w 「帰りにショアジギしましょ~♪焼津?沼津?」
キャ 「軽くハイキングな感じでしょ?」
F 「だから・・・もうちょっとネットとか見ましょうよぉ~」
この時の三人・・・想像を絶する富士登山になるとは思っていませんでした。
~前日~
キャ 「ネット見ました!結構本格的すね・・・ってことで今からスポーツ用品店行って来ます!」
w 「僕は買出ししてきました!荷物パンパン♪」
F 「じゃあ当日こんな段取りで行きましょう~」
キャ 「買ってきた!しめて〇〇k¥」
F・w 「すげぇww!やる気だっ!!」
当日の予定も決まり、不覚にも少し楽しみな僕・・・駄目だよ!行っちゃぁ駄目!と言ってあげたい。
~当日出発前~
F 「もしもし?タマ?今晩から富士山行こうよぉ~?」
タマ 「だ・か・らぁ・・・行かね!」
F 「道連れは1人でも多い方が」
タマ 「行・か・な・い♪」
F 「本っ当~は行っても良いかな?とかちょこっと思ってるでしょ??」
タマ 「全く思ってございません!!」
F 「数%は・・」
タマ 「0%だっ」
最後は喰い気味で拒否られました。
結果を言うとタマさん大正解!
~当日、三人合流し、高速道路を走行中~
w 「ハイっ!来ました!来ましたよぉ~富士登山!」
キャ 「イェ~イ!お店で一揃えしましたよぉ~!!!装備はバッチリ!」
F 「来ちゃいましたネェ~♪天気良いと良いすね♪」
w 「この日のために携帯からのブログUP覚えたんすよ!」
・・・なんて盛り上がる車内・・・
w 「メシ喰いましょう、メシ!最後の晩餐ww!」
F・キャ 「良いすね!これが最後かもしれないしww何にしましょうか?」
・・・こうして楽しく最後の晩餐(結局ラーメン)を食べ終え一路駐車場へ向かいます。
しかし、標高があがるにつれ辺りはものすごい濃霧!数メートル先が全く見えません。
運転手の僕はセンターラインを頼りに運転し、
助手席のキャプテンさんがナビを見ながら先のカーブ状況をナビゲート
後部座席のwolfさん・・・何かを感じ取ったんでしょう。だんだん口数が少なくなっていく・・・
~駐車場到着!~
車から降りるとかなり寒く、おまけに風が強いです。
F 「到~着ぅ~♪・・・すげぇ人っ!」
キャ 「おっ♪山ガールだぁぁぁ」
w 「寒ぅぅぅ~!・・・もしかしてやっちまったか?」
ここら辺でwolfさんネガティブ思考へ落ちる・・・
この日は「マイカー規制」なるものが実施されており直接登山口まで車で行けず、
少し下の駐車場で車を止めてバスで登山口まで行かなければなりません。
三人共身支度を整えてバスに乗り換えます。
乗り込むと同時にキャプテンさん・・・速攻で瞑想するように寝だします。
w 「ここにいる奴ら好き好んで富士山登りに来たんすよね・・・すげぇ・・・」
F 「イヤ、俺達もそうでしょ!」
w 「何だあのウキウキした顔?・・・富士山すよ?こんな寒くて天気悪いのに・・・はぁ・・・」
F 「何?その罰ゲームで来ました!みたいな感じは?」
w 「・・・」
キャ 「zzz・・・ビクっ!」
マジ寝らしく時折体がビクってなるキャプテンさん・・・
ついに嫌嫌感が漂いだしたwolfさん
ココまで来たから!と案外テンションが上がる僕
そんな一行をのせてバスはとうとう登山口に到着してしまいます。
~いざ登山~
ちなみにバスは満員でした。
富士山五合目登山口に到着した乗客達・・・
チーム全員で集合写真をとる人。
早速登山道へ向かう人。
思い思いに散っていきます。
三人も勿論降りて・・・
F 「酸素すでに薄くね?」
キャ 「本当だ!何か薄い!」
w 「遂に登るのかぁ~」
というこで
「22時22分(偶然ね!)富士山アタック開始~よろしくお願いしゃ~す!」
・・・ここから僕の記憶は曖昧です。
とにかくこの日は天気が、爆風・極寒・雨と天気が最悪!
最初のうちはそれでも会話がありましたが七合目辺りから会話もほとんど無くなります。
とにかく苦しい!
そんな中八合目を過ぎたあたりで休憩しながら二人にちょっと問いかけて見ました
F 「どうする?これじゃ御来光は無理っぽいし今回はあきらめる?」
まぁ、体力的にも天気的にも、
かなり登ったのを後悔してたんで二人が同意すれば止めようと思ったんです。
キャ 「ここまで来たら登るしかないでしょ!」
w 「そうすよ!それに今来た道歩いて帰るんでしょ」
F 「まぁそうすけど・・・」
w 「誰だぁぁ!登ろうなんて言ったの!!」
イヤイヤ・・・誰よ?言ったの・・・
ちなみに僕は7,8年前に登った事があるんでこの先行けば行くほどキツくなるのはしってました。
F 「この先もう三段階位きつくなりますよ」
w・キャ 「フリーザかっ!!」
・・・もう、酸欠でつっこみも無茶苦茶です。
~九合目突破~
もう三人ともまともな思考なんてできません。とにかく前に、上に足を動かす!これしかないんです。
ココまで来ると気温は氷点下まで下がり、風は台風並、呼吸はずっと深呼吸です。
各合目には山小屋があり休憩場所や登山者の目安になっています。
一つ上の山小屋に上がるの道のりはたった数百メートル
・・・でもそれが嘘の様に遠いんです。
九合目まで来ました。もう誰も何も言えません
5・6・新7・元祖7・8・9合目ときて次はいよいよ頂上か!
・・・と思いきや次の山小屋は意表を付いて9・5合目。ああっ確か前もそうだった・・・
憎い演出だ!バカヤロウ!
もう歩幅は靴一足分。全身ずぶ濡れでとにかく寒い!苦しい!帰りたい!
そんな中ついに東の方がうっすらと明るくなってきます。
~そして頂上~
辺りはすっかり明るくなり・・・
時間がどれくらいたった?
どれだけ登って来た?
そんな感覚が全部麻痺した中ただただ登り続け・・・
もう・・・本当に勘弁して・・・と思った頃・・・
やっとの思いで
山頂到着!しました。
感動?・・・まったくありません。
景色?・・・雨と風と雲で辺りは全く何も見えません。
お互い?・・・健闘なんて讃えません。
会話?・・・そもそもかなり前からありません。
おそらく一番来てはいけない日に来てしまったんじゃない??
「お疲れ様だと?だってまだこれから歩いて下るんでしょ!!」
三人とも山頂にある売店の軒先から一歩も動こうとはしません。
ブロガー(一応・・・僕も?)である二人がカメラで撮ろうとか全くしようとしません
しかたないのでお二人を撮影!
・・・そーいえば、リアルタイムタイム更新どうした?
~下山~
もう帰りたいんですが、
帰る=歩いたもと来た道を戻る
これを考えるのが嫌で・・・(泣)
w 「ここで”どこでもドア使用権”があったら幾らで買う?」
キャ 「う~ん三万は出す!」
なんて現実逃避をしてます。・・・ちなみに僕は五万なら出す。
そうしてふんぎりがつかないまま数十分が過ぎたでしょうか・・・遂に誰かが声を上げます。
「・・・帰りますか」
帰りはさながら亡者の行進です。
フラフラと無言で下る。重力のなすがままにとにかく下に降りる。
そうしなきゃ帰れません。
帰りは気温が上がり、酸素もだんだん濃くなって来るんですが
下りは下りで、疲れきった体で膝や足腰に衝撃を受け続けながら数時間歩くのでこれまた辛い!
徹夜もあいまって本当に朦朧としながら数時間かけて下山し
バスに這うように乗り込み・・・即爆睡!
気付くと麓の駐車場に到着していました。
ここら辺からやっと三人の会話が復活し出します。
F 「イヤイヤイヤイヤ・・・きつかったぁぁぁぁ~!!!!」
キャ 「最悪でした!!」
w 「ここは本当の地獄だね!!」
着替えをし、どっかで仮眠を!という事で漫喫に移動して3時間爆睡後・・・
来る時とは全くの別人な三人がそこには居ました。
F 「心底富士山見たくねぇっ!」
キャ 「人生で一、二位を争う最悪なイベントでしたっっ!!」
w 「もうトラウマだね!冷凍庫すら開けたくありませんっ!!あの白い冷気を見ただけで・・・うぁぁぁあ~嫌だぁぁ~」
もうりっぱに山を憎む三人組みです。
「釣り人は海抜0メートルが一番!」
これが今回三人の出した結論です。帰りに早速三人で海に行き
「あぁぁぁぁぁここが一番好きだぁぁぁぁぁ」
と・・・(笑)
本当にもう御免だねっ!!